清算事業年度の均等割は払わなあかんのかについて検討してみました。
2017/07/26
昨日、清算結了登記を行った会社の清算確定申告書に均等割の記載がないって、東京の某都税事務所から電話がかかってきました。
都税事務所の調査担当官とかいう人からの電話だったんですけど、「東京都としては会社が設立されてから清算されるまでの期間を通じて均等割は納付してもらわなあかん」って言うんですよね。
そりゃまぁ、建前はそうなんでしょうけど、こちらとしても休眠してる会社で「事務所」も「従業員」もいない抜け殻のような会社の清算確定申告なので、それでも均等割を納めろというのはどうなんでしょうかね。
なので、あらためてこういう場合にも均等割の納付が必要なのかどうか検討してみることにしました。
調査官を説得せなあきませんからね。申告書の作成を担当したスタッフも他社事例で東京都は頑ななんでしょうがないとか言うんですけど、その取り扱いを検討したうえで、こちらの考えを主張せずに、都税事務所の言うことを鵜呑みにするだけなら僕らの仕事はいらんよね。それはただの代書屋と変わんないですから。
※検討にあたっては道府県民税の条文をもとに行っていきます(市町村民税も同じ取り扱いなので)。
法人住民税の納税義務者
地方税法第24条①三〜四 道府県民税の納税義務者等から抜粋道府県民税は、第1号に掲げる者に対しては均等割額及び所得割額の合算額によつて、第3号に掲げる者に対しては均等割額及び法人税割額の合算額によつて、第2号及び第4号に掲げる者に対しては均等割額によつて、第4号の2に掲げる者に対しては法人税割額によつて、第5号に掲げる者に対しては利子割額によつて、第6号に掲げる者に対しては配当割額によつて、第7号に掲げる者に対しては株式等譲渡所得割額によつて課する。
三 道府県内に事務所又は事業所を有する法人 四 道府県内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設(「寮等」という。以下道府県民税について同じ。)を有する法人で当該道府県内に事務所又は事業所を有しないもの
- 「事務所又は事業所」を有する法人の場合には均等割額と法人税割額の合算額を課税する。
- 「寮、宿泊所、クラブその他これらにする施設」を有するが、その道府県に事務所等を有しない法人の場合には、均等割額のみを課する。
寮等(保養所なんかのケースが多いんでしょうね)を有する法人の場合に均等割のみを課税されるというのは、上記の条文のままでいたしかたありませんので検討はここまでです。補足しておくのであれば、独身寮や社宅のように特定の従業員の居住のための施設等は含まれませんし、常時設けられているのであれば、人的設備を要しません。また、登記の有無にかかわらず、自己の所有に限らず、賃借しているものも含まれます。
取扱通知(県・市)1章6 事務所又は事業所 1 事務所又は事業所(以下6において「事務所等」という。)とは、それが自己の所有に属する ものであるか否かにかかわらず、事業の必要から設けられた人的及び物的設備であって、そこで 継続して事業が行われる場所をいうものであること。この場合において事務所等において行われ る事業は、当該個人又は法人の本来の事業の取引に関するものであることを必要とせず、本来の 事業に直接、間接に関連して行われる附随的事業であっても社会通念上そこで事業が行われてい ると考えられるものについては、事務所等として取り扱って差し支えないものであるが、宿泊所、 従業員詰所、番小屋、監視所等で番人、小使等のほかに別に事務員を配置せず、専ら従業員の宿 泊、監視等の内部的、便宜的目的のみに供されるものは、事務所等の範囲に含まれないものであ ること。 2 事務所等と認められるためには、その場所において行われる事業がある程度の継続性をもった ものであることを要するから、たまたま2、3か月程度の一時的な事業の用に供する目的で設け られる現場事務所、仮小屋等は事務所等の範囲に入らないものであること。
| 人的設備 | 事業に対し労務を提供することにより事業活動に従事する自然人をいいます。 |
| 物的設備 | 事業活動を行うために人為的に設けられる有形の施設であり、事業が行われるのに必要な土地、建物があり、その中に事業を行うための設備が備えられている場所をいいます。 また、法人の所有するものであるか否かにかかわらず、事業活動の目的性を有すれば足ります。 |
| 事業の継続性 | 事務所において行われる事業活動がある程度の継続性を有するものでなければなりません。これは事業活動は反復性を有するものである以上、事務所等の概念にも、ある程度の継続性が要求されるとともに、課税技術上からもあまり短期間のものを把握することは、事務を複雑にすることになるからです。 |
取扱通知1章52 法人が解散(合併による解散を除く。)をした場合の法人税割又はこれと併せて納付する均等割の取扱いについては、次の諸点に留意すること。 1 法人税割については、法人税において清算所得課税が廃止され、所得課税に移行したことに伴 い、税率は、法人税の課税標準の算定期間の末日現在における税率によること。(法51②) 2 均等割については、その性格からして、清算期間中に現存する事務所、事業所、寮等に限って納付するものであること。
解散した法人の法人道府県民税均等割は、法人の事務所又は事業所(以下「事務所等」といいます。)のある道府県において納付するものとされています。(地方税法第53条第5項) 法人の事務所等については、解散された法人の清算事務(清算の目的のために行う債権の回収、債権の弁済、財産の分配等の事務をいいます。以下同じ)の状況等によって異なる場合があります。 一般的には、法人は解散後に清算事務を行う必要があることから当該清算事務を行う事務所等があるものと推測されます。 しかし、現実には、清算事務がない場合や清算事務を税理士等に委任し、当該税理士等の事務所等において行われる場合などの法人の事務所等がない場合もあります。このように事務所等がない場合には、法人道府県民税均等割の納付義務はありません。


