
税理士の長村です。
僕は異業種交流会っちゅうのが大嫌いです。
開業当初は暇だったこともあって、いくつかに行ってみたことがあるんですよ。
で、そこで会う人たちに「お仕事なんですか?」って聞かれるので、
「税理士事務所やっています。」って答えると、
「へー、税理士さんですか。」からの、
「うちの税理士さんはどこどこでと......。」
というのがテンプレです笑
いや、別に営業しようってわけでもないんやから、そんなに最初からディフェンス張らんでもと。
こういうのが多々あるので、最近は見ず知らずの人と話す際には「トレーダーです。」って言うようにしています笑
まぁ、この方がゴミみたいな目で見られるんですけど笑
けど、「税理士うちおるバリア」を張られるよりはよっぽど気楽です。
起業したての頃に某異業種交流会的な朝会やるようなところに、
税理士枠に空きが出たから入る気ない?って誘われたので、
モノは試しと行ってみたことがあるんですが.....。当然僕は合わんと思ったんで見学まででしたけどね笑
そのときにFB登録された人から「いいね!」が流れてきていたので、何の気なしに見ていたのですが、
その異業種交流会に入っている税理士さんのコラムに対する「いいね!」でした。
どんなこと書いてるのか見てみましたが、「創業時にお金を借りるための事業計画の作り方」っていうような内容でした。
まぁ、普通やなと思うのですが、そのコラムを読んでて思ったのは金借りる方法の話をするよりも安易に起業するのを止めなあかんのちゃうんかということです。
正直、創業時に銀行や日本政策金融公庫から融資を受けたいのであれば、税理士事務所のツテを使えば、小難しい事業計画書なんかなくてもお金を借りることができます。簡単な面談をして、書類に名前・住所を書いて印鑑を押せば、それで終了です笑
なので、金融機関に説明するための事業計画書なんかを作成してもしょうがないです。
それよりも大事なのは、我々税理士が本当にこの人を起業させてしまっても大丈夫なのか判断してあげることではないかと思うのです。人生は一度っきりなので、起業に失敗してしまうと、その後の人生は大きく歪んでしまうことになります。
僕も関与したクライアントが破産、倒産するのは、クライアントとの間に人間関係ができてしまうので精神的にキツイですし、たった数年で事業をやめられてしまうと、僕らも大して儲かりませんしね。
なので、僕が起業したいという人と面談する際には、基本的に最初は「起業はやめとけ。」と言うようにしています。
大概の人は起業したいという情熱が燃え上がってしまっていますから、なかなか口で言うだけではこの真っ赤な炎は消えないんですけどね笑 ここで消沈してくれれば本人含めてみんな安泰なのですが笑、大概そうはいきません。
それから事業の内容を聞いてみて、僕が納得するプランになるまで何回もプレゼンをやってもらうようにしています。
毎回ダメだしして、そこに対する対処法や見直しを行い事業内容をブラッシュアップしてもらうんですね。
これならいけるかなという事業内容になってきた段階で、思い描く事業計画を数字に落とし込みながら事業計画書を作成してあげるのですが、その数字もあくまで妄想に過ぎないので、もの凄くディフェンシブに計算を行います。
そうすると大体初年度から数年は赤字になるんですよね。起業する業種にもよりますが、それが普通だと思います。
その数字を見せながら最後に伝えるのは、「この赤字をカバーするためにあなたの給料をカットしますけど、それでもやりますか?」というものです。
覚悟を決めてそれでもやりますっ!て言うのであれば、しょうがないので、うちの報酬のせいで赤字にならないように金額を調整してあげて、この赤字の期間に必要になるであろう資金の融資手続きに望むことになります。
セルボ・クレールの場合は担当者によってばらつきはありますが、基本的にはこのような手順を踏むようにしています。
そうしないと、起業させたはいいもの、バンバン夜逃げ、倒産されたら、こっちが困ってしまいますから。
また、起業あるあるですけど、事業内容をどこまでブラッシュアップしたところで、実際に起業してみたらうまくいかないことの方が多いです。そこで重要なのは、事前のプランに固執せず、どれだけ柔軟に個々の難題に対処していけるかだと思うんですよね。で、その難題にともに立ち向かっていく伴奏者が僕ら税理士なんではないかと思うんです。
会社が大きくなってくれば、関与の仕方も変わってきますけど、起業したてで金のない人に付き合ってくれるようなモノ好きはそうはいませんからね。セルボ・クレールはそういう存在でありたいと思います。