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  1. 賃貸物件の家賃収入について考えた。
 

賃貸物件の家賃収入について考えた。

2017/08/23 賃貸物件の家賃収入について考えた。
税理士の長村です。

ずーーーーーーーと前(確か東京に来て少し経ったくらいかな?)に
問い合わせがあった不動産屋さんから面白い話を聞いてたのを思い出したので、
まぁまぁ面白い論点だったのでまとめておこうかなと。
僕は不動産屋さんは基本的に担当しないので、不動産屋さん周りの税務知識は条文解釈による一般論になってしまうのですが、
不動産屋さんは扱うお金の金額が大きいので税務戦略にとても熱心ですよね笑
そりゃ消費税の税率がぐんぐん上がってくると納税額も半端じゃないですし、土地の売却収入や住宅の家賃収入がどうしても多くなってしまうので課税売上割合が低くなってしまい、必然的に不利な消費税計算を強いられてしまいますから。


消費税の課税仕入に係る用途区分の判定
で、面白いなぁと思ったのが、ある区分所有マンションを投資目的で購入したそうなんです。新築だったので空き物件だったそうなんですが、その物件をグループ会社の事務所として賃貸契約を結んで、物件を購入した会社では消費税の計算上課税仕入の用途区分を課税売上のみ対応で申告したんだそうです。
なるほどなぁと思いますよね。用途区分の判定は課税仕入を行った日の状況により行い、その後用途区分が変更されたとしても、さかのぼって用途区分の変更をする必要はないとされていますから、購入時に事務所としての賃貸目的としていれば、あとで住居用として賃貸したとしても文理上は購入年度の課税仕入の用途区分の判定に影響がないわけですから。
※ただし、課税業務用調整対象固定資産を非課税業務用に転用した場合の調整計算の論点が別にあるので安易な転用に注意!!

課税仕入れ等の用途区分の判定時期)

消費税基本通達 11−2−20 
個別対応方式により仕入れに係る消費税額を計算する場合において、課税仕入れ及び保税地域から引き取った課税貨物を課税資産の譲渡等にのみ要するもの、その他の資産の譲渡等にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに区分する場合の当該区分は、課税仕入れを行った日又は課税貨物を引き取った日の状況により行うこととなるのであるが、課税仕入れを行った日又は課税貨物を引き取った日において、当該区分が明らかにされていない場合で、その日の属する課税期間の末日までに、当該区分が明らかにされたときは、その明らかにされた区分によって法第30条第2項第1号《個別対応方式による仕入税額控除》の規定を適用することとして差し支えない。  

(上記通達の解説より抜粋)
用途区分は課税仕入等を行った日において行う。当該用途区分が明らかでない場合に、課税期間の末日までに当該区分が明らかにされた場合には、その明らかにされた区分を適用することができる。また、合理的であると考えられる用途区分の判定を行った後で、実際には別の用途区分に使用された部分があったとしても、さかのぼって用途区分の判定をやり直して仕入控除税額の計算を修正する必要はない。
その後、案の定税務調査が行われて、下記の論点が問題になったそうなんです。
・当該区分所有マンションは登記上「住居」とされている点
・当該マンション全体の規約ではその使用は「住居」に限定されており、「テナント」や「事務所」として利用する場合には事前に許可が必要であるが、その許可を取っていなかった点

ただ結論としては税務署は上記の点を争点にあげて修正申告するように迫ってきたそうなんですが、最終的には是認されたということです。
その時はふーんって思っていたのですが、よくよく調べて見ると消費税の非課税売上の規定が影響しているようですね。
一瞬読み飛ばしてしまいそうになるのですが鬼のような一文が記載されています笑

住宅の貸付に係る非課税規定
(非課税)

消費税法 第六条  

1 国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第一に掲げるものには、消費税を課さない。

2 保税地域から引き取られる外国貨物のうち、別表第二に掲げるものには、消費税を課さない。

 

 

(別表:住居)

消費税法 別表第一 第十三号

住居(人の居住の用に今日する家屋又は家屋のうち人の居住の用に供する部分をいう。)の貸付け(当該貸付に係る契約において人の居住の用に供することが明らかにされているものに限るものとし、一時的に使用させる場合その他の政令で定める場合を除く。)

 

(住宅の貸付けから除外される場合)

消費税法施行令第十六条の二
法別表第一第十三号に規定する政令で定める場合は、同号に規定する住宅の貸付けに係る期間が一月に満たない場合及び当該貸付が旅館業法に規定する旅館業に係る施設の貸付に該当する場合とする。

(用途変更の場合の取扱い)

消費税基本通達6−13−8 
貸付けに係る契約において住宅として貸し付けられた建物について、契約当事者間で住宅以外の用途に変更することについて契約変更した場合には、契約変更後の当該建物の貸付けは、課税資産の譲渡等に該当することとなる。
(注) 貸付けに係る契約において住宅として借り受けている建物を賃借人が賃貸人との契約変更を行わずに、当該賃借人において事業の用に供したとしても、当該建物の借受けは、当該賃借人の課税仕入れに該当しないのであるから留意する。
鬼の一文というのはそう、上記の「当該貸付に係る契約において」の部分です。
すなわち登記上「住居」になっていようが、マンションの規約でその使用が「住居」に限定されていようが、消費税法上は契約書においてどのように取り決められているのかしか規定していないのです!!
従って、契約書で事務所として賃貸する旨の記載がなされていれば、その家賃収入については当然「課税売上」に該当するでしょうし、当該マンションの建物部分に係る課税仕入の用途区分は「課税売上のみ対応」として処理することになります。
また、再掲ですが、後日住居用マンションに用途区分を変更したからといって、さかのぼっての課税仕入の用途区分の判定をやり直す必要はないのです。

ということは..........。この先の想像は読者の皆様にお任せします笑
現状の消費税の税率は8%ですが、数年後には10%になります。
この物件購入時の建物部分の消費税を課税仕入として計算できるのか、できないのかでは金額が非常に大きくなることもあり利益に直結してしまいますからね。
物件売却時には建物部分の消費税は課税売上として納税することになりますから、この購入時の消費税計算はとても重要な論点だと思います。




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