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ビットコインの分裂は税務上どのように取り扱うべきか?

2017/08/02 ビットコインの分裂は税務上どのように取り扱うべきか?
税理士の長村です。

平成29年8月1日〜2日の深夜(21時〜23時付近?)をもって、
ビットコインがBTC(ビットコイン)とBCH(ビットコインキャッシュ、「BCC」とも表記されますが、同じ表記を用いている仮想通貨が別にあることから「BCH」と表記されるようです。)にハードフォーク(分裂)しました。
フォークの経緯はどうでもいいとして笑
この分裂が税金の計算にどのように影響するのか検討してみたいと思います。




ハードフォークによる仮想通貨の分裂とは?
ビットコインがハードフォークしたことにより、ビットコインを保有していた人にはBTCと同数のBCHが配布されることになります
※取引所のBTCウォレットに保管している場合には、その取引所にBCHが配布されることになるため、BTCの各保有者にBCHをきちんと割り振るのかどうかは、各取引所によって対応が異なるそうです。そのためBTCユーザーの間では取引所に帰属するBTCウォレットではなく、固有のBTCウォレット(ハードウォレット等)に保管しておかないとBCHがもらえないかもしれないとアナウンスされていました。

仮想通貨がハードフォークすると本来は分裂前のコインはなくなるはずでした。
それはブロックチェーンの特性が連鎖するデータのチェーンのうち最も長いものを正しいデータであると判断することに由来します。
しかし、実際にイーサリアム(Ethereum)という仮想通貨がETH(イーサリアム、新しいチェーン)とETC(イーサリアム・クラシック、もともとのチェーン)にハードフォークした際に、ETHのハードフォークに不満を持つ一部のコア・メンバーらによって、ETCのマイニング(取引データの同期)が継続され、さらにはETCを扱う仮想通貨の取引所も出てきたことから、本来消滅するはずだったETCに価値(Value)が生まれてしまうことになりました

このイーサリアムのハードフォークから明らかとなったことは、コア・メンバー(開発者)、マイナー(マイニングを行う人)、仮想通貨取引所の3つが揃えば、消滅するはずだった仮想通貨も存続することができるというものです。

同じく今回のビットコインのハードフォークにおいてもBCHは上記の3つの要素を満たしていることから、ビットコインが「分裂した」と表現されているわけです

では、ビットコインがBTCとBCHに分裂した場合にどのように税務上取り扱うことになるのか検討したいと思います。


BCH配布時の収益認識について
BCHが配布された際に、何らかの収益認識(個人の場合は一時所得や雑所得等)が必要なのかどうかについては、収益認識の必要はないと考えます
BCHはビットコインのハードフォークによってBTCから分裂する形で誕生した仮想通貨ですが、分裂という表現にはなっていますが、実態としてはBTCとは別の新しい仮装通貨が生まれたことと同意だと思います。その後、仮想通貨取引所で取引価格が付くのかも知れませんが、それはBCH誕生後に形成される取引価格ですから、BCHの配布時にはBCHそのものには何らの価値はなく、当然収益認識する必要もないと考えます。



取得対価について
ビットコインがBTCとBCHに分裂した際に一番の問題となるのが、この取得対価の割り振りだと思います。
BCHはハードフォーク時のビットコイン(BTC)の数量と同数が配布されることになるため、無償での取得又はハードフォーク時のビットコインの取得対価をBTCとBCHで1/2づつ按分すれば良いと考えられます。

しかし、仮想通貨が分裂した時の価値(Value)の付き方はそれぞれの仮想通貨を支持するマイナーの数(厳密にはマイニングさせているPCの数や計算能力のこと)だと言われています。これをハッシュパワーというのですが、本来はハードフォーク直後のハッシュパワーの比で按分するのが合理的だと思いますが、このハッシュパワーを正確に把握する方法があるのかどうかはわかりません。他の仮想通貨なら公表されているので、頑張って探せばあると思います。

ではハッシュパワーが使えないとなると他にはハードフォーク直後の時価総額の比よる按分が合理的ですが、各取引所によって特にBCHの取引価格に大きな乖離があることから、時価総額による按分も難しいと言わざるを得ません。

以上から取得対価の按分には下記の方法が考えられます。

 無償取得 等数按分ハッシュパワー按分 時価総額按分 
按分方法BCHは無償で配布されるためBCHの取得対価はゼロとするもの。BCHはBTCと同数配布されるため取得対価を1/2で按分する。取得対価をBTC陣営とBCH陣営のハッシュパワーの比で按分する。取得対価をBTCとBCHの時価総額の比で按分する。
コメントBCHの将来性は未知数(近い将来なくなる可能性もある)であることからBCHの取得対価をゼロとすることも合理的であると考えられます。ある意味最も税務的な按分方法であると考えられます。ハッシュパワーを把握することができるのか不明。把握できれば合理的な方法の一つであると考えられます。各仮想通貨取引所での取引価格に乖離があるため、合理的な時価総額を把握することが難しい。

現状、仮想通貨の分裂時に税務上どのように取得対価を按分すべきかは明らかではありませんが、個人的には「無償取得」として取り扱うのが最も合理的であると考えています

というのもビットコインは分裂後もBTCの取引価格自体大きく変動していない(理論的にはBCHに付いた取引価格だけ減少するはず)ことから、市場はBTC陣営を分裂前と変わりなく支持していると考えられます。このことから新しいBCHという仮想通貨はビットコインユーザーに対して無償で配布されたにすぎず、それが単に市場で取引価格が付いただけのことだと考える方が自然ではないかと考えます。

ご注意
平成29年9月6日に国税庁からタックスアンサーが公表され「ビットコインを使用することにより生じる損益」の取り扱いが明らかになりました。
詳細は下記をご参照ください。



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